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鶴岡城と世界遺産を巡るツーリング [バイク]

こんにちは、久しぶりにブログを更新したchimamoです。

庭のツバキに大発生した「チャドクガ」の幼虫駆除で始まった9月の4連休。
連休3日目(といっても4日目は仕事だけど)、日本に二つしかないという五稜郭の一つ、鶴岡城を目指してツーリングに行ってきました。

5時15分に起床して、出発は朝6時。
気温は20度といくらか肌寒い。
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ロンTとTシャツの重ね着に、下はクールマックスのコンプレッションタイツ、その上に3シーズンジャケットと革パンという、初秋の装い。
久しぶりの1日ツーリングで胸を躍らせながら出発する。

「少し肌寒い」程度でも、走り続けているうちに、じわじわと体温が奪われ続ける。

国道254号をひた走り、すっかり体が冷え切った2時間後に富岡のセブンイレブンで最初の休憩。
ホットコーヒーとアンパンでエネルギーをチャージする。

10月からリニューアルオープン予定の荒船の湯を過ぎたあたりから高度が徐々に上がりだし、気温はじわじわと下がりだす。なんか雲も増えてきた。

この道、やたらと「荒船風穴まで○○km」という看板が目に付く。
「これくらいアピールしないと人が来ないのか。確かに地味そうだしな。」なんて考えている内に荒船風穴への分岐に着くけども躊躇なく通り過ぎる。

それなりに車は多くてペースは上がらないけど寒いので全然気にならない。何しろ気温は「16度」。
出発した時よりも寒い。
信州の初秋を舐めてたようだ。

佐久市に入ってからは、「コスモス街道」の名の通り道路沿いにコスモスがちょうど見ごろを迎えてる。
折角だし「まあ綺麗!」なんて言いたいところなんだけど、曇っているし寒いしで、全く心は動かず。

9時35分、本州に唯一の五稜郭、龍岡城に到着。
ほぼ予定通り。今回から中古で買ったiphoneSEにグーグルマップをダウンロードして、オフラインで使ってみたのだけど、なかなか快適。
龍岡城への交差点は特に地名表示もなく大いに助かった。

バイクを降りて、さっそく五稜郭のお濠端を歩いてみる。
そんなに大きな堀ではないけど、間近で見てみると、やたら角の多いお濠といったところ。何角形なのか、全然わからん。

4角形でも難しいだろうに、こんな複雑な形の堀を設計して作ってしまうのだから、昔の人って凄い! と、体が温まって心に余裕ができたのか感心してしまう。

敷地は小学校になってる。ここなら敵が攻めてきても安心?!
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当時の建物が、倉庫として現役なのが凄い!
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ただ、こんな辺鄙(失礼)なところにお城(といっても、天守閣とかの建物はない)を作って、意味があったんだろうか?
城としては規模も小さいし、実際のところ防御力は如何ほどだろうか? 
なんて疑問が湧いてくる。

資料館で得た知識では、藩主の松平乗謨(後の大給 恒)は学問に秀でた人で行動力あったようだから、防衛というより自分の得た知識を実践してみたかったのが本音でなかろうか、

せっかくなので見晴台まで行って、五稜郭を見下ろそうと思い、資料館の人に道順を聞いたら、「お車ですか? 道が荒れているので車高の低い車は厳しいですよ。」
と忠告を受ける。

まあ、大丈夫だろうと思って行ってみると、確かに道は荒れていて途中からダートで轍も場所によっては深い。
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急こう配のヘアピンカーブは浮石がある上に水が湧いて濡れていて林道初心者にはハードルが高い。

当然、道を楽しむ余裕なんてまるでなく「肩の力を抜け!、目線は遠く、曲がりたい方に顔と体を向ける!」とマントラのように唱えながらなんとか駐車場までたどり着く。

やっと着いた駐車場。 誰もおらず、「クマ出没注意」の看板にビビる。
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駐車場からは斜面を上がるごと100mくらい。
木々が多くて分かりづらいけど、なんとか五稜郭の形を確認する。
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きっと殿様もここから眺めたことだろう(多分)。

登りよりも下りの方が怖かったけど、無事に下ったあとは、も一度来た道を引き返して、新海三社神社へ。

道祖神がお出迎えしてくれる。きっと道路拡張とかで居場所がなくなってここに集められたのだろう。
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永正12年(1515年)建立という国の重文指定の三重塔は何とも趣があってよかった。
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大きな紅葉の木が生えていたから、もっと秋が深まってから来るのがよさそうだ。

この時点で12時前。
今日の二つ目の目的地、初谷温泉を目指してきた道を引き返す。

温泉への分岐は目立つ看板もなく(多分)、ナビがなければ通り過ぎていただろう。
「ナビってやっぱ便利!」と、温泉への期待が膨らむ。が、

なに、この看板?!
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「そんな・・・。昨日HP見たけど、そんなの書いてあったか?」
と、湯船でなく失意のどん底に頭の先まで沈み込む。

さあどうする、と思い浮かんだのが「荒船風穴」。
全く興味はなかったはずなのに、あのしつこい看板を何回も見たせいで潜在意識に刷り込まれてしまったようだ。
まるでサブリミナル効果を狙ったような看板である。

で、国道の分岐から山道を進むこと8キロ。途中に家族連れで賑わう神津牧場を通り抜けた先にやっとたどり着く。

世界遺産という割には何とも地味な入り口だ。

地面が泥地なのか、工事現場にあるような鉄板が敷き詰められている。
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雨の中来た日には、迷うことなくUターンするだろう。

しかも、ここから「急な坂道を下って15分」だと。つまり1kmくらい歩くらしい。ご丁寧に杖もいっぱい用意されているし。帰りは20分とのこと。
ここは登山道か?(休日はシャトルバスもある)

コースタイム15分のところを10分で降りた先にあった「荒船風穴」。

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詳細は省くけど、ここの風穴が蚕の卵の管理に使われて、絹糸の生産力が大幅にアップして日本の絹織物が世界を席巻して日本の近代工業化に多大な貢献をしたらしい。
とはいえ、平たく言えば自然の冷風を利用した冷蔵庫。
こんな山奥の施設が日本の近代化を支えたとは、なんとも牧歌的な時代だったんだなあと思ってしまった。
実際のところ、この荒船風穴は冷蔵庫が発明されたことで使命を終えたそうな。と、現地ガイドの人から教わる。

しかし、日本近代史における歴史的な意義は大きいのだろうけど、なんとも「地味」だ。
法隆寺とか、アンコールワットとかと同列に並べるのはさすがに無理があるだろう、と思いつつ風穴を後にする。

再び国道254に戻り、下仁田のこんにゃく観光センターで遅めの昼食をとった後、道の駅「しもにた」で家族からのリクエストのリンゴを探すが、果物が全く売ってない。
なんか、この辺は色彩に欠ける、なんて言ったら地元の人に怒られるだろうか。

新食感の蒟蒻ソフト(炭入りチョコレート味)
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勝手に「こんにゃくゼリー」みたいな食感を期待してたけど、なんかザラザラした舌ざわり。
うん、まあ、確かに新食感かもしれない。

道の駅を出たのが15時半くらい。予定よりも遅れているけど、あとは帰るだけ。
と、国道を避けて県道193号に入って快走したのもつかの間。大渋滞にはまってしまう。

「事故でも起きたか?!」と、子どもを連れて歩いていた女性に聞いてみたら、どうやら群馬サファリパークの入り口が近くて混んでるみたい。
仕方ないので少し道を戻ってから迂回して、県道46号に入る。
塩沢峠を越えて国道462号をかすめて県道71号で土坂トンネルをくぐって秩父に入れば、もう庭先に戻ったようなもの、なんて予定を立てていたけど甘かった。

県道46号は「幅員減少」の表示以降、一気に道幅が狭くなって場所によっては普通自動車とバイクでもすれ違えないようなところも。
はじめは、「奥武蔵グリーンラインみたい」と楽しんでたけど、どんどん高度が上がってガスも出始めて、いつになれば峠を越えるやらと不安を感じだす。
去年の台風19号の影響か、やたらと工事個所が多いし道も荒れている。鹿が道路から山に逃げていくのをみて、自然とスピードが落ちる。
それでも、初めのうちに何台か対向車がいたので「大丈夫、向こうに抜けられる」と、自分に言い聞かせて進む。

いくらか空が開けてきて、「もうすぐ峠のはず!」と、かなり心細くなったところで分岐を発見、そして
「県道46号 路面崩壊のため全面通行止め」の非常な看板。

「ここまできて、なんでや・・・。」

後になって撮っておけばよかったと思うけど、この時は写真を撮るような余裕はない。

再び失意のどん底に沈むも地図で確認したら、そのまま分岐を東にすすめば、県道71号から国道に降りられるではないか。
「よし、まだ大丈夫!」
と、気を取り直してさらに進む。

が、ついた分岐の先にも「路面崩壊、通行止め」の看板。

「やばい、どないしょ。」
と、マップルをみていると、なんと通行止めの看板の向こうから上がってくるワンボックス。

必死に手を振って止まってもらい、「この道、通り抜けられるんですか?」と期待を込めて聞いたら、
助手席のお姉さんが手を振り振り「ダメダメ」と、淡いで期待が打ち砕かれる。

今更下仁田まで引き返す気にもならないし、先行車がいるのだからと、地図もろくに見ずにワンボックスの後を追いかける。

分岐にあった標識では「東京方面」とあったから、まあ何とかなるだろう。

荒船風穴を出てすぐにガソリンを満タンにしといて良かったと心から思う。
こんなところでガス欠なんて考えただけでも恐ろしい。

走りながら、「なんか、さっきもこの景色見たような、、、。まさか迷ってないだろな?」
なんて不安を募らせながらも国道462号に出る。目の前には神流湖。日が暮れる前に国道に出られてよかったと心よりホッとする。

しかし、高速は大渋滞だし、国道254号も混んでいるにきまってる。

志賀坂峠も考えたけど、真っ暗な林道は嫌なので県道13号から44号を通って秩父を目指すことに。

秩父に入って最後の休憩。18時半くらい
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こうして、なんとか20時前には飯能の自宅に帰り着いたのでした。
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ここまで予定通りに進まなかったツーリングは久しぶりかも。
マイナーな道を走るときは下調べが大事だ!、と学んだのであった。

本日の走行距離:320キロ
平均燃費:27.5km/L
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