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家族で行く九州ツーリング その2(熊野磨崖仏~別府鉄輪温泉) [家族]

熊野磨崖仏のある豊後高田までの道のりは、ひたすら驚きと感動が続いた。

まず、車がいない。前にも後ろにもいない、対向車すらほとんどいない。
「まだGWに入ってなかった? 自分たち、日付を間違えた?」と、不安を覚えるくらいに人の気配がない。
道は緩やかにアップダウンとカーブを繰り返し、「この道をバイクで走りたい!」と、何度口にしたことか。

道は川沿いを走り、周囲は山に囲まれている、と言うと国道299号の景色と変わらないのだけど、全く違う。

山や川や、その間に広がる大地が、それぞれが悠々と構えている。そんな景色がいつまでも続くのだ。
これを見て感動せずにいられようか、いや、いられない。

空までが、本州で見るよりも広く深く見える。

この景色に比べると、埼玉のそれは限られた空間を山や川が奪い合っているいるような感じだ。

九州男児という言葉が生まれた理由が分かった気がした。

走り出して早々、すっかり九州の虜になってしまった。

感動冷めやらぬまま、熊野磨崖仏の駐車場に到着。

自分らの盛り上がり的には満車も覚悟したけど、これまでの道すがら同様、止まっている車はまばらだ。
神戸とか名古屋とかのナンバーの車と九州ナンバーの車が数台。ハーレーも一台止まっている。

どうやら、GWにわざわざ磨崖仏を見に来るのは世間一般的には相当な物好きのようだ。
重要文化財なんだけどなあ。

受付で拝観料を払って石段を上がっていく。
看板の字体が軽いなあ・・・。国の重要文化財とは思えんぞ。
692入口.JPG


駐車場に止まっていたハーレーの持ち主と思しき、50代くらいの男性が、ものすごく辛そうに下ってくる。

受付に「高齢者や体調の優れない人は登らないでください。云々」と看板で警告していたのは脅しじゃないなと、納得する。
鬼が一夜で築いたというだけあって、人には優しくないのだ。


手すりこそあるけども、「バリアフリー? 何それ?」という道のりだ。
694石段.JPG


石段を上がっていくと、左手に開けた場所があり、唐突に2体の磨崖仏が鎮座している。

ユーモラスな表情の不動明王。
693不動.JPG

「い~んだよ~」と、某発泡酒のCMのように語りかけているようで、ご対面していると和やかな気持ちになってくる。

対する大日如来は、なんとも容赦ない感じ。
693如来.JPG


「おまえ、それでええのんか?」と、自身の未熟さや甘さを問い詰められてるような気分になってくる。
でも「あかんやろ」と、全否定ではなく、あくまで問いかけてくる感じなのが仏の情けか。

初日の宿は、別府鉄輪温泉 旅館「喜楽」。

鉄輪温泉のほぼ中心にあって、こじんまりとした趣のある旅館だ。
695喜楽.JPG


風呂は内湯と外湯があって、時間によって男女が分けられている。

着いた時は外湯が男湯になっていて、親父・自分・息子と3代で温泉に浸かる。

駐車場脇にある外湯は当然ながら露天風呂。

屋根の張り出しと紅葉が茂っているので開放感は少ないけど、落ち着いて趣がある。

お湯は透明に近く、匂いはあまりしない。少しヌルッとした感じがあって舐めるとしょっぱい。

奥には砂風呂と蒸し風呂もあり、どちらも地熱を利用したものだ(多分)。

砂風呂は備え付けの浴衣を着て(裸でも良い)、穴を掘った砂の上に寝っ転がるのだけど、これがまた熱い!

でも熱いのを我慢して横になっていると、慣れてきて段々に気持ちよくなってくるから不思議だ。

息子は「熱い!」とすぐに飛び出し、オヤジと二人で砂風呂に横たわる。

他愛のない会話をしながら15分は横になってたかな。

オヤジとこんなに長い時間を二人で喋ったのなんて何年ぶりだろう。自分が二十歳を過ぎてからは初めてかもしれない。

自分が今のオヤジと同じくらいの年になった時に、息子と砂蒸し風呂に並んで入ったらどんな会話をするんだろう。

やっぱり他愛のない会話を繰り広げるんだろうなあ。

温泉で深刻な話は似合わないもんね。

続く
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