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ロードバイクで行く1泊2日の四国ツーリング 後編 [自転車]

四国ツーリングの後編です。

夜明け前に結構な雨が降って目が覚めるも、7時に起きてみると雨は止んでいる。

「よっしゃ! この後は晴れる!」

と喜んだのも束の間。朝ご飯を食べ終えた頃には再び雨。

起き掛けに部屋の窓から撮った1枚。 まだ雨は止んでいた時
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今日は、本来なら四国カルストに行って、再び南下して土佐久礼駅を目指すルート。
距離は71km、アップが1100m、ダウンが1400m。
20kmかけてカルストまで上がってしまえば、あとはひたすら下りメインの美味しいコースだ。

しかし、この雨の中を上がるのもどうしたものか。

かといって、カルストをエスケープすると、ゴールの久礼まで約50km、ダウン400mの簡単なコースとなり、下手すると昼過ぎには着いてしまう。

ルートを決めかねて、3000円分のクーポンをもらったことだし、道の駅「マルシェ」でお土産でも買おう、と雨装備で出発の準備をしていると、

宿の主人が「ここ(檮原)でこれだけガスってたら、カルストは何にも見えんよ。」と有難い(?)アドバイス。

何も見えないのは、つまらないだけじゃなくて危険だ。
ここは大人の判断として、四国カルストは次の機会に取っておくことにする。

道の駅「マルシェ別館」で土産物を買って、宅急便で送る。3000円のクーポンが有難い。
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檮原千百年物語で、檮原の歴史を学ぶ。 なかなか面白かった。
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11時過ぎに建物を出てみると、天気予報通りに雨が上がり、青空もほんの少し覗いている。
一瞬だけアッキーと逡巡し、「行くか!」と、カルストルートに急遽変更する。

11時出発となると、予定よりも3時間遅れとなり、コース難易度が上がるが、まあ何とかなるだろう、と腹を括る。

走り出すと再び雲が厚くなり、小雨もぱらつきだす、が、もはや賽は投げられたのだ。
四国カルストを目指すのみ。

雨がパラつく中、国道440号を北上し、地芳トンネルを避けて旧道に入る。

旧道入り口。
ガードレールに設置された看板の矢印が紛らわしく、危うく逆方向に行くところだった。
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いきなり最大斜度20%(メーター読み)の洗礼を浴び、「まさか、この激坂が続くのか?」とビビるが、そのあとは10%前後の坂をウネウネと上がってく。
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道の脇には「国道440号」の標識があり、現役国道であることをアピールしている。

埼玉の舗装林道でも、自転車で走っていると、小さな生き物が道を横切ってたり、車に踏まれてたりするのだけど、この道ではカニとイモリが多かった。
初めは「カニだ~」なんて珍しがってたのが、場所によっては避けるのが大変なほど。実際、何匹かは踏んでしまった。

カメラを向けると後ずさりして逃げて行った。
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初めは雲がかかってた景色も、峠につく頃には日が差してくる。
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地芳峠に到着!
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峠に到着したのに、さらに上って鶴姫平に到着!
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山荘の裏にいってみると、高知側はすっかり雲が晴れて眼下に絶景が広がる。
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我々の判断は正しかった! 
エスケープしてたら、晴れた空を恨めし気に眺めていた事だろう。

「さっき、自転車で登ってた人ですか?」

ぼんやり景色を眺めていると、登っている途中に車の助手席から自分たちを凝視してたお姉さんが話しかけてくる。

明日から3日間、自転車でキャンプツーリングするのだとか

「坂って、こういう風に上るんだって、勉強になりました!」
だって。
大してお役に立ったとは思えんけど、感謝されるのは素直に嬉しい。

こっちなんて、今日の夕方には帰るというのに・・・。

少し話してから、互いの旅行の無事を願って別れる。

いつかどこかで、「あー、あの時の!!」なんて再会があったら嬉しいんだけど。

残念なことに山荘は営業しておらず、「なんか食べられるだろう」という期待は見事に裏切られる。
カルデラ珈琲のホットコーヒーが冷えた体に染みてとても美味しかった。

思わずステッカーも購入し、帰ってからバイクのホムセン箱に貼った。
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天狗高原からは紅葉した山々を見下ろす。これもまた絶景なり。

下っていくアッキーを撮る。一人じゃ撮れない、今回の旅行のベストショット(自画自賛)。
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天狗平からの下り。
実はこの時、サドルバッグに括りつけたレインパンツを落としていて、下った坂を上り返す羽目に。
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ダウンヒルと紅葉を堪能して、酷道439号から国道197号に入ったあたりで時刻は15時となり、日が傾きだす。
山里の日暮れは早いが、ゴールの久礼はまだ遠い。

最悪、18時過ぎに土佐久礼駅に着けばいいのだけど、ナイトランは避けたいところ。

気持ちばかり焦ってくるのに、国道197号に入ってから急に増えだした、道に累々と横たわる巨大な「ミミズ」

トンネルを抜けた後、どうやっても避けられないくらいに道を覆っているときはパニックになりかけた。

昨日から時々は見かけてたのだけど、「枝? にしては、真っすぐだし、なんか艶があるし・・・」
スピードを落としてみてみれば、どうやら生き物っぽい。このデカくて黒いのが、ミミズ?!

長さ30cmを越える、青光りしたミミズ、初めて見た。やっぱ四国は凄い。

帰宅してから調べたら、「シーボルトミミズ」(別名「カンタロー」)というらしい。
写真は撮る気にならんかった。
集団で移動するのは数年に一度しか見れない光景らしい。
運が良いのか、悪いのか・・・。

昼前に檮原を出てから、グミ、シリアルバー、チーズ入りちくわ、しか食べてない身はすでにハンガーノック直前。

そこまで余裕がないわけではないのに、やたらと気持ちが焦ってしまうのは低血糖になってたんだろう。
自動販売機でオレンジジュースを飲んだら落ち着いた。
糖分を補給した後は、先を急ぎながらも、県道19号の傾く太陽に照らされた景色を楽しんで走る。

国道56号に出て、七子峠の展望台から太平洋を望む。 あそこまで走るとなると結構遠いぞ。
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展望台を過ぎたあとはひたすら下るのみ。
勾配がそれほどでもないうえにカーブも多く、スピードは50km/hも出ないけど楽しく下れた。

温泉「黒潮本陣」に17時前に到着。
下りメインとはいえ、ろくに補給も取らずによくやったと思う。

海が目の前。ええのー。
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着替えを取り出し、「太平洋を眺めながら露天風呂や~!」と喜び勇んで建物に入ったら、

「16時から18時までは宿泊客専用時間となっております。」

と、これぞまさしく門前払い。交渉の余地はなし。

気を取り直して、「しかたない、道の駅に行って、何か食べよう。」

とすぐ近くの道の駅「なかとさ」に行ったら、まさかの17時閉店・・・。
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駅前には何かあるだろ、と、トイレの個室で汗を拭いて着替えして、土佐久礼駅に向かう。

が、駅前は何もない。 

もはや陽もとっぷりと暮れて、時間の余裕もない。

近くのコンビニで弁当を買い、高知行の電車の中でアッキーと祝杯を挙げたのであった。
侘しい・・・。

が、高速バスの到着遅れから始まり、チューブのバースト、雨、と、何かと障害が多い中で四国カルストに登れて、紅葉も楽しんだ。
太平洋も眺めることができた。

終わってみれば、満点と言ってよいツーリングだった。

特急に乗り込むアッキーを見送る
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去り行く特急電車を見つつ、20年以上経っても、何ら変わることなく一緒に遊んでくれる友達がいることの幸せを嚙み締める。

さて、来年はどこに行こうかな?

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ロードバイクで行く1泊2日の四国ツーリング 前編 [自転車]

こんにちは、10月はランニングの距離が50kmを切ってしまい、最早ランナーと名乗れなくなってしまったchimamoです。

10月の30、31で(バス泊を含めると10/29~11/1)で四国を「自転車」でツーリングしてきました。

10/29(金)
新宿に向かう電車が急病人で遅れ、深夜バスがタイヤトラブルで45分も遅れて到着、何とか22時頃に新宿を出発する。が、「東名高速で渋滞のため、到着時間のさらなる遅れが見込まれます。」とのアナウンス。
先行きが不安な出発となる。

10/30(土)
予定より遅れたものの、9時に高知駅に到着。
待ち時間を利用して、外に出て写真を撮ったり、着替えを済ませる。

土佐の3英雄の銅像を撮る。
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20年前に来たときはなかった、と思う。でも20年前は南口は行かなかったかも。
板垣退助(と後藤象二郎)も有名だけど、この3人とは並べられんわな

神戸から始発電車でやってきた今回の相棒、大学以来の友人のアッキーと合流して、2両編成の特急あしずり1号にのって窪川駅まで。

今回のテーマは「四万十川と四国カルスト」

四万十川は、前から見てみたかった清流なのだ。
そのうち「四万十ウルトラマラソン」に出ようと思っているうちに、先に自転車で走ることになってしまった。

四国、そこは埼玉から行くには自走(バイク)にせよ、公共交通機関にせよ、どうにも遠くて憧れが募るばかりだったのだけど、
琴平バスが輪行可能と知って、四国サイクリングが現実となったのだ。

2年ぶりの再会となるアッキーと喋っている内に、あっという間に窪川駅に到着する。

今日のルートは、国道381号→酷道と名高い(?)、国道439号→県道26号→国道197号でゴールが檮原町の民宿「いちょうの樹」だ。
距離は71km、獲得標高431mと、普段のロードツーリングに比べると相当楽なコースである。
景色を楽しむのだから、これでいいのだ。出発も11時過ぎと遅いので、まあ、こんなところだろう。

少し雲はあるものの、晴天の下で自転車を組み立てて、国道に出てすぐのファミリーマートで補給食を買ったら、さあスタート!

が、コンビニをでて数秒後、フロントタイヤから変な感触、と思ってタイヤに目をやると、タイヤの一部が異様に膨らんでる。

「何かおかしい!!」

と慌てて止まった瞬間、

「パン!!」と大きな破裂音。

「チューブが裂けたのは確実、タイヤは大丈夫か?!」
タイヤまで裂けていたら、ここで自分の四国ツーリングは終了である。

不安を抱えたまま、フロントを浮かせてコンビニに逆戻りする。

幸いにもタイヤは無事で、チューブを交換する。
どうやら、先週の日曜日にタイヤをローテーションした際、フロントタイヤがごくわずかにチューブを噛んでいたらしい。
交換直後に軽く走って確認もしたけど、振動でタイヤとリムの隙間が大きくなったことで一気にチューブが膨らんだのか。
まあ、自宅から駅に向かう時や、峠の下りでないだけマシ、だったのかも。

見事に裂けたチューブ
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タイヤはビットリアのコルサ。
雨でもしっかりグリップしてくれるいいタイヤ。
ホイールに簡単にハマるくらいサイドが柔らかく、その分チューブを噛みやすいのかも。

手早くチューブを交換したら、気を取り直して出発!
駅を出たときは晴天だったのが、いつの間にやら空は雲に覆われている。

しっかり確認したとはいえ、タイヤに不安を感じる。
次にバーストしたら替えのチューブはない。

「これはもしや、この旅はやめとけ、というお告げか?!」
なんて根拠のない不安に包まれながら檮原町を目指す。

国道381号は綺麗な道で、左手に四万十川の清い流れを見ながら気持ちよく走る。

曇天模様なこともあり、川は綺麗なんだけども写真写りがいま一つなのが残念。
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酷道で名高いヨサク(439号)に入った途端、一気に道が狭まって軽トラでもやり過ごすのに脇に寄る必要があるくらい。
道はそれほど荒れていないけど、これなら奥武蔵グリーンラインの方がよっぽど広い。
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下津井の手前でサルの群れに遭遇する。

ここで出会ったサルの方が、スタートしてから見かけた人の数より多いと確信できるくらいに人がいない。

集落というほどの家もない。
でも、衆議院選挙の掲示板は至る所で見かけたのだから、日本って、ある意味凄いと思った。

下津井の眼鏡橋をバックに
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四万十川は、途中から急に水量が多くなったと思ったらダムになってた。
四万十川にもダムがあったのね。


あと、思ったよりも川との高低差があった。

沈下橋も初めのうちだけだったし、イメージしていた四万十川とはちょと違う。

県道26号に入ってから道が広くなる。
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走り出してすぐに、リアの変速が思うように決まらずに四苦八苦してたのだけど、リアディレイラー付け根にある、ワイヤーを固定するプラスチックのガードが割れているのを発見。
自動改札口に勢いよく輪行袋をぶつけてしまった時に破損した模様。
どうしようもないし、走行には支障がないので放っておく。

途中、ナビのルートと大きく外れて、「どっかで道を間違えた?」なんて泡食ったりもしながら(トンネルを避けるルートが分かりにく過ぎた)も、無事に檮原町に到着。

これまで、点在する民家ばかりだったのが、急に町が現れたので、「秘境の隠れ里」を発見したかのような感覚に襲われる。

明日は雨かもしれない、ということで「維新の門」へ足を運ぶ。

銅像の半分くらいの人(?)は知らんかった。すみません。
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それにしても、こんな山の中で日本の将来を憂いて命を懸けた人がいたってのは、同じ日本人として誇りに思うべきだと思う。
主義信条は別にしても、その純粋な心と行動力は尊敬に値する。

坂本龍馬もこの地を抜けて脱藩していったかと思うと、龍馬が踏んだ地面を自分も踏めて感無量だ。

ついでに、「雲の図書館」にも立ち寄る。

外観も素敵
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自転車を置く場所に困ってると、近くで遊んでた小学生が駐輪場を教えてくれた。
こんな何気ない触れ合いが何よりも嬉しい。

あとで、この男の子と再び出会って挨拶しとく。
これが「鶴瓶の家族に乾杯」なら、そのまま仲良くなって家にお邪魔して夕食を頂くとこだ。

話がそれたけど、雲の上の図書館の内部は写真で見るより、もっと素敵だった。

といいつつ写真(館内は撮影オッケー)
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画面右の階段状の本棚には漫画が並べてあって、ベンチも兼ねている。
デザイン性もありながら、実用性もある。
となりでは子供たちがニンテンドースイッチでゲームに興じている。
それでいて、音も響かないのでうるさくない。
とってもいい雰囲気。

図書の配置も、面白そうな本がいっぱい並べてあって、一日中でも楽しめそうな図書館だった。

隅には小さいながらボルダリングの壁まである。

あとで民宿の女将さんが、「図書館で1日過ごすために、遠くから来る人が沢山いるんですよ。」と言っていたのも納得である。

自分も、「こんな図書館があれば~」と、檮原町の人が心底羨ましくなった。

檮原町見学を終えてから民宿、「いちょうの樹」に到着する。

荷物を置いてすぐ、女将さんに「雲の上の温泉」に車で乗せて行ってもらう。

ちなみに、GOTOキャンペーンの一環で檮原町限定の3000円分のチケットをもらったので、温泉も実質タダ。
こういうキャンペーンなら是非とも続けてほしい、と思う。

雲の上の温泉ながら、露天風呂から眺める空は雲で覆われてたけど、源泉かけ流しの温泉はとても気持ち良かった。

良く分からんけど、木のオブジェ(?)
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わが町、飯能も西川材を売りにしてるけど、建築物のデザイン性では残念ながら負けてると思った。
図書館は館内のデザインと実用性も含めて完敗だ。


宿に戻ったら、すぐに夕食。
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地元の食材をふんだん使って、とても美味しかった。

料理の多さに、「食べきれるか?!」と心配したものの、野菜が多くてあっさり完食。
アユの甘露煮は頭から尻尾までホロホロで絶品。

ごちそうさまでした。

どうやら明日は雨予報。
予報通りに6時に雨が上がることを祈りつつ、眠りにつくのであった。

<後半に続く>


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